教育者 Meets アーティスト「斉藤 幹男×川田 由紀」(第1話)子どもと創造の現場から──教育とアートの交差点

2025

教育者 Meets アーティスト 「斉藤 幹男×川田 由紀」第1話

子どもと創造の現場から──教育とアートの交差点

教材開発や探求学習を支援する助成プログラム】に採択された訪問保育ひかりの保育士・川田由紀さんが、教材開発にあたって何組かのアーティストと出会い、対話を重ねていく行程を可視化する、という企画が生まれました。

その名も「教育者 meets アーティスト」(そのまんまですが)

今回のお相手は斉藤幹男さん。
アニメーションやCGなどを活用し、アナログ・デジタル双方の魅力を融合させた新たな創造性を映像、立体、平面などで展開されています。
こどもスナックmikioなど、子どもを対象にした作品やワークショップの経験もあることから、多岐にわたるお話が展開されました。

助成:札幌市(2025年度 札幌市文化芸術創造活動支援事業)

斉藤 幹男
アーティスト

アーティストの斉藤 幹男(さいとう みきお)と申します。

僕は札幌出身で、大学から東京へ行って、その後ドイツに留学したんですけど、もともと美術をやっていたわけではなくて、ドイツに行ってから始めたんですよね。
日本では美術をやってはいませんでしたが、絵を描いたり写真撮ったりすることは好きだったので、なんかたまたまドイツの学校に入学できちゃって。
30歳ぐらいまでヨーロッパにいて、そのあとに地元に帰ってきました。

本格的に、札幌でアートの仕事を始めたのは30代からです。
今でこそ札幌は芸術祭とか美術を発表する場所はたくさんありますけど、当時はAISプランニングアーティスト・イン・スクールをやり始めたりとか、そういう時期で。

僕自身もアーティストとして小学校に行ったり、美術館とかで展示するときにも「子どもたちとワークショップをやってもらえますか?」と言われたり、そういう機会がどんどん増えていきました。
僕は、アニメーションを作ったりしているので、すごくなんか子どもたちとの親和性が高いというか、子供のワークショップとかもできたりするので。

今は映像に限らず、「こどもスナック」とかもそうですけど、場所とか地域に合わせて、「あ、こういうことをやったら合うんじゃないかな」と思ったことをやってみるという感じですね。

こどもスナックmikio

子供たち自身がママ、マスターとなり、お菓子やドリンクでお客をおもてなししたり、カラオケやゲーム、占いなど、自由に時間を過ごせる子供たちのたまり場。
2023年、石狩市厚田の夏祭りで初めて開かれ、その後香川県でも開催。現在は、厚田区聚富(しっぷ)の『遊びの実験場・しっぷる shipple』にて毎週日曜日に開催されている。

川田 由紀
保育士

川田 由紀(かわた ゆき)と申します。今日はよろしくお願いいたします。

仕事はフリーランス保育士で、保育士とは名乗ってはいるのですが、保育園で働いているわけではなくて。
行政で公務員の保育士として20数年働いて、それからフリーランスとして活動をはじめました。

主な仕事としては、ベビーシッターです。
ご自宅に伺ったりですとか、あとは商業施設やイベントでも託児をしています。

それと市民団体「ママの輪」という団体の主宰をしており、【子育ての孤立をなくしたい】という思いがあります。

私自身が双子の母で3人子供がいるんですけれど、育児の大変さといいますか、孤立するような思いを抱えることがありました。
そういったママたちの孤独感や不安感とかが減ることで、子供たちにも還元されるんじゃないかなって。
それでイベントや、ママカフェみたいなことをしております。

斉藤 幹男
アーティスト

あぁ、いいですね。

川田 由紀
保育士

今回、なぜ教材開発支援プロジェクトに応募したかというと、保育でもいろんな場面でお子さんと関わるなかで、「言葉だけでは表現できないこと」、そういうことがアートや表現で出来たらいいなって思ったことがきっかけです。

それと、お子さんの発達段階が、同じ年齢内の中でもゆっくりだったり、個性だったりするお子様がいらっしゃいますけれども、同じ場で・・・なんていうのかな、やってる内容とか手段とかは少し違っても、共有して一緒に楽しめたら、すごくいいことだなって思ったんですよね。

訪問保育では、私と訪問先のお子さん、そしてそのご家族だけではできるのですけど、それがもう少し複数というか、大きな形になったら楽しいんじゃないかなって。
それで、今回ドキドキしながら応募しました。

森嶋 拓
進行

今日のお話の最初最後さん伺いしたいことがあって、「アートや、トへ」についてなんですけども
最初にここ来るでに抱いていたと、今日実際に話してみた後に感じたイメージについて
なにか、イメージに変化があったかどうか、それとも特に変化はないのかを知りたいのですが、まずここに来るまでに抱いていたイメージを教えていただいてもよろしいでしょうか。

川田 由紀
保育士

私って見たものの影響を受けやすい人なので、最初にここに来て、ご挨拶のときに少しだけお話を伺った時点で、もうすでに影響されてしまっているんですが(笑)

当初に浮かんでい場所みたいなものが、中の札幌市民交流プラザ入っているビルとかでアートなことが行われているっていうなんかそういジがあったん
通りあっ人がたくさんいて
「何やっもいい場所」ないすけれ、あそこは安全保障されている場所みたいなでいたんすけれども。

森嶋 拓
進行

なるほど、場所のイメージが。

川田 由紀
保育士

でも、お話を少し伺っただけでも、
「あ
なんゃなくても、どこ楽しめるない?」
と感じて、場所いうにおい、私の中でいま可能性がす広がっ感じすね
についてはまだ、うぼんやりたますけれはい、そ感じ

あとは勉強不足なこともあって、「は」っことかなかうまくできない
具を使ったりなにかを作ったりかっいう・・・
私の場合は「
とは」っていよりか、工作で育ってるんすね

斉藤 幹男
Artist

うんうん、そうですよね。
義務教育だと図工とか・・・工作ですよね。

川田 由紀
保育士

でも、私の保育では主体性を大事にしていて、伸び伸びしたいとか、枠にとらわれないっていうのは、私自身がすごい好きな方なので、多分アートとの相性は悪くないんじゃないかなって勝手に感じてはいます(笑)

森嶋 拓
進行

うちも子供がふたり保育園に通っているんですけど、保育園の先生は段ボールや絵の具を使って、けっこう色々なものを作られている印象があります。
でも、クラスの担当の先生によって、内容も大きく変わってくるのかなって思ったりもするのですが。

川田 由紀
保育士

その、保育園の先生によって、クラス内での内容や製作量が違ったりするということは、まさにそうでして。

私はピアノが得意じゃないので、うちのクラスではアカペラ、もしくは簡単な曲がメインになっちゃうんですけど、一方で製作は大好きで。
たくさん経験してほしくて、他のクラスの1.5倍か2倍ぐらい作っちゃうんですよね、手間になったとしても。

ピアノが苦手な先生もいれば、製作が苦手な先生とかもたくさんいらっしゃるので、その先生の得意不得意に関係なく、子どもたちが同じ量の経験ができると、それはいいことだなと思って。
教材開発って、そういう部分でも役に立てるかもしれないんだなっていうことに、この間のズームの面談の時に気づいたんですよね。

でも、だからといって何をどうするっていうのは、まだ全然固まっていないんですけども。

森嶋 拓
進行

保育園などの、基本的なシステムっていうのは、例えばうちの子どもたちの保育園だと、各クラスに先生が2人ないし3人いて。
この3人の担任の先生が、今日は何をするっていう予定を、だいたい作っていくものなんですか?

川田 由紀
保育士

施設によるかもしれないですけども・・・
たぶん、基本は担任の先生が準備をしていると思います。
低年齢だったら担任が多いので、0歳だったら保育士1人に対して、お子さん3人とかになるんですけど、大きいクラスになると1人担任とかになっていきます。
0歳担当だと1人で3人の準備をしますが、上のクラスになると1人で22、23人分の準備をする形になるので・・・

森嶋 拓
進行

1人で準備するんですか・・・っ!?

川田 由紀
保育士

私がいたところは、基本はお子さんが6人だろうが23人だろうが、その担任が全部準備してました。

森嶋 拓
進行

すごいですね・・・!

川田 由紀
保育士

でも、作業量といいますか・・・
作品を仕上げるまでの準備は違っていて、0歳だとできることと、5歳だと違いますし。
自分で線を切れるようになったりすると、準備段階の手間も0歳とは全然違いますし・・・んー、でもやっぱり大変でした。

好きだったので、なにか行事を作って、あれも作って、毎月作ってって・・・

月に2回ぐらいは家に持って帰って、テレビを見ながら準備していました。
時間内では準備しきれないので、家に持ち帰って。
うちの息子とかにも丸を描かせてました。
「あと10枚!」みたいな感じで、家族みんなでやっていました(笑)

斉藤 幹男
Artist

僕は、小学生向けの制作のワークショップとかは、最近全然やらなくなってしまって。
こどもスナックみたいに場を作ったあと、そこで自由にさせるみたいなことばっかりになったんですけど。

でも、今年は久しぶりにフェルトを切って、フォーチュンクッキーでおみくじを作るということを、厚田の学童で30人ぐらいの子供を相手にやって。

すごい簡単に作れるんですよ。本当に。僕の感覚で言うと、ちょっと厚手のフェルトをはさみでこう、丸く切って、クリップで真ん中を止めて裏返すだけの。
だから、僕の感じだと1個つくるのに5分かからないんですけど、実際に子供たちにやらせたら、まず丸く切れないですよ。
ガタガタになっていたりとか、クリップをこうやって刺して、安全ピンを刺して止めるのができないんですよね。

川田 由紀
保育士

そうなんですよね。

斉藤 幹男
Artist

「えっ!」と思って、僕が簡単にできると思っていること、この子の年齢だとできないんだ、って。
その時初めて知って、結局は僕がすごい数を作るみたいな(笑)
「ちょっと待っててねー」みたいな感じで。

だから、そういうところは全然分かっていなかったので、そういうのってやっぱり毎日子どもと接していないと、こういうことができる、できないっていうのが分からないっていうか。

川田 由紀
保育士

その、なんていうのか、経験値にも多分よると思うんですよね。
そのお子さんの発達もありますし。
今年で子育て支援が27年目とかになっちゃったんですけど、20年前のお子さんと今のお子さんでもやっぱり違うんですよね。

我が子とか見ても「あれ、靴ひも結べないの?うちの子」と思ったりとか、今ってパッチンの靴とかが多いから、指先を使うことが少なくなって。
社会が便利になったことの弊害、までいうと語弊があるかもしれないんですけど、純粋に経験不足っていうのがやっぱりあるので。

自分自身が子供だった頃とは比べられないっていうか、自分が5歳の時はこのぐらいできてきたけど、令和の子どもたちには難しいことってあるし、その代わりにウェブが得意とかいろんなことありますし。

小学生でプレゼンテーションが私より素早くできたのを見て、「やばっ!」と思ったりしましたし、「今の子ってすごーい!」みたいなこともたくさんありますね。

斉藤 幹男
Artist

そうなんですよね、そういうことってありますよね。

川田 由紀
保育士

それこそ今フェルトのことをお話しくださったんですけど、障害の有無にかかわらず、やっぱり五感を・・・触るとかっていうのはすごく大事なので。
選べることっていうか、なんていったら良いのか。

例えば、できる子は厚手のフェルトでもいいかもしれないし、同じような形態のものを作るとしても、この子には少し難しいから、丸めるのだけは柔らかい素材を使って、切るときは薄手がいいなとか。
一回切りは何歳でしょうね。三歳ぐらいだったと思うので、一回でしか切れないハサミだと切れなかったりだとか。
なんかそういうのがいろいろ選べて・・・なんていうのかな、「これを使ってください」とかって言うよりかは、この中で何ができるっていう方が、私もワクワクするっていうか。

空き箱製作みたいなこととか、いろんな素材とか使って、私も楽しいし、子供も楽しいんですけど・・・保護者にとっては「わぁ、持って帰ってきちゃったな・・・」みたいなものだったりもするんですけど。
子供ってすごいなんか、自分で考えて作り上げていくときって、すごいキラキラした表情でやるんですよね。
そういうことに、私も関われたら嬉しいなって思います。

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