前編 11/19「語る広場」トークセッションより
「んまつーポスの活動紹介~地元宮崎から海外まで」
助成:札幌市(2025年度 札幌市文化芸術創造活動支援事業)
教育×アートをテーマに語り合うトーク&交流イベント「語る広場」実施レポート(前編)
11月19日(水)、宮崎県のダンスカンパニー「んまつーポス」をゲストに迎え、教育とアートをテーマに語り合うトーク&交流イベント「語る広場」を開催しました。
共催および会場提供は、今年8月にオープンしたばかりの「実験施設ZOKZOK」。
前半は同施設のアトリエツアーに始まり、「んまつーポス」の活動紹介、さらに同施設のコアアーティストの一人であり総合ディレクターの渡辺元佳さんとのクロストークと進みました。
後半はグループダイアログとして、教育とアートのあいだで活動する人たちが互いの実践を語り合う時間としました。
札幌市内外から教育やアートに携わる多様な方々にお集まりいただき、会場は大いに盛り上がりました。
とくにスポーツとアートと教育の重なり合う部分にこだわりを持っているという「んまつーポス」のお二人のお話には学ぶことが多く、抜粋にはなりますが、トークセッションの内容を前後編でご紹介していきたいと思います!
- 前編:11/19「語る広場」トークセッションより「んまつーポスの活動紹介~地元宮崎から海外まで」←今回はこちら
- 後編:11/19「語る広場」トークセッションより「キッズデザイン賞のお話、クロストーク」
「語る広場」トークセッション
◆登壇者
豊福彬文さん(んまつーポス)
みのわそうへいさん(んまつーポス)
渡辺元佳さん(実験施設ZOKZOK)
◆モデレーター
森嶋拓さん(スパークプラグ・アライアンス)
(以下、敬称略)
▲んまつーポスの豊福彬文さんとみのわそうへいさん
「んまつーポス」自己紹介
んまつーポスというカンパニー名は「スポーツマン」の逆さ読み。
海外では「ん」が発音しづらいので「namstrops(ナムストロプス)」と呼ばれています。
2006年に結成し、来年20周年。元々スポーツマン。
体育の先生になろうと入学した大学で創作ダンスに出会い180度人生が変わってアーティストを志すことに。
「ものごとを逆さから考えることで新たな価値を創造する」というコンセプトで活動しています。
スポーツからアートを考え、アートからスポーツを考える。
この考え方が教育にとっても、未来のある子どもたちにとっても価値のあることだと考えています。
みなさん、創作ダンスに良いイメージはありますか?
「嫌だったな」「ダサいな」とか。
みんながつまらない感覚を共有しているというところが逆に面白く、可能性を感じました。
これを強く握りしめながらやっていこうと思いました。
「んまつーポス」活動紹介①~EDU-Portニッポン
自分と異なる「からだや動きの個性」を積極的に価値づける「創作ダンス」は日本の学校体育で必修科目となっています。
その意味や価値を、日本だけではなく、世界中に紹介することを目的とした私たちの活動が、「EDU-Portニッポン」という国の事業に認められています。
「EDU-Portニッポン」とは、官民協働のオールジャパンで取り組む「日本型教育の海外展開」を推進する事業です。
2017年から創作ダンスを『SOUSAKU―DANCE』として海外へ輸出し、その成果を日本にフィードバックすることで、国内教育をさらに豊かにするという目的もあります。
この事業を通して、これまで17カ国45都市の、子どもからシニアまで幅広い対象者へ向けて、『SOUSAKU―DANCE』のワークショップを実施してきました。
「んまつーポス」活動紹介②~北海道での活動
今日は石狩市立花川南小学校の6年生と、昨日は千歳市立北斗中学校の3年生と、それぞれ創作ダンスに取り組みました。
千歳市立北斗中学校の3年生は、去年も(私たちとのワークショップを)体験しています。
去年100分間だけの出会いでしたが、昨日の再会ですぐに「んまつーポスだ、今日ダンスやるんだ」と認識してくれて、関係性ができていることが嬉しかったです。
(記録映像を共有しながら)ワークショップでは、生徒たちとダンスによる学校のPR動画を制作しました。
10秒くらいのダンスを創り、振り付けを覚え、校内のどこで踊るかを考え、撮影にもこだわり、編集し、鑑賞する。
それを2コマ(100分)で。
去年も同様の内容で実施したところ、先生方にも「卒業式で流せる」と喜んでいただき、今年も呼んでいただきました。
撮影場所は校長室や図書室など。学校全体が舞台になると生徒たちの発想もどんどん飛び出しました。
約100人という大人数は勢いがあって良かったですね。
ここの校長先生とは、実は私たちが以前ヨーロッパツアーで、ミュンヘンの日本人学校でワークショップした時の体育の先生でした。海外で活動することで、国内にもつながりが増え、北海道にも来ることができました。
「んまつーポス」活動紹介➂~地元宮崎県での活動
私たちの拠点は宮崎県にある劇場「透明体育館きらきら/国際こども・せいねん劇場みやざき(CandY)」です。
名前の通りこの劇場には二つの顔があり、日中は保育園の体育館として活用していただいています。
夜と休日はコンテンポラリーダンスの劇場へとトランスフォームします。
通称CandY(キャンディー)シアターというのは、Children and Youth(子どもと青年)の略です。
宮崎県はビニールハウスがとても多いことで有名です。
それを意識して、透明体育館きらきらをデザインしました。
楽しく活動し、すくすく育つ子どもたちの様子を外からも眺めることができるよう、前面はガラス張りです。
この園児たちは、CandYシアターの公演がある時はリハーサルやゲネプロも見学してくれてフィードバックをくれます。
彼らの反応によっては内容を最終調整することもあります(笑)。
(劇場紹介映像)2019年3月にオープンし、この劇場を“創作ダンスの聖地”にしようと考えています。
2023年からはここで国際ダンスフェスティバルも開催しています。
(内情を打ち明けると)東京で開催される国際ダンスフェスティバルと連携し、国内旅費で海外のアーティストを招聘するという点を工夫しています。
アーティスト側も日本の複数都市で公演できるというメリットがありますし、東京との地域差、雰囲気の違いを楽しんでいただけるのも良いですね。
「東京で笑わなかったアーティストが宮崎では笑っている」と言われたこともあります(笑)。
(今年開催した国際ダンスフェスティバルの映像)子どもたちが自ら作ったウェルカムボードを持って空港でお迎えします。
もちろんアーティストの出身国について事前に調べ学習を行うなど抜かりなく。
今年はエストニアやルーマニア、プエルトリコ、マカオ、香港など本当にさまざまな国や地域から。
日本のアーティストも必ず招聘します。
地元のバレエスタジオとも連携してアーティストを派遣し、ワークショップも実施しました。
私たちもオープニングで踊ります。
CandYシアターは“創作ダンスの聖地”なので、みんなに創作ダンスを伝えることも忘れずに。
招聘アーティスト全員参加のワークショップを実施し、エンディングは観客も巻き込んで一緒に踊ります。
保育園との連携は2013年から。
その年に1歳だった子が今13歳になり、なんと昨年の横浜ダンスコレクションの新人振付家部門の最年少ファイナリストになりました。
ダンコレ30年の歴史の中でも13歳でのファイナリスト選出は初ということ。
評論家やダンス関係者からも「ネイティブコンテンポラリーダンスな子どもたち」と評価していただきました。
アートやコンテンポラリーダンスが身近にあると、子どもたちはどんな風に成長するのかを追いたいと考えています。
(最年少ファイナリストの)彼らは国際的なフェスティバルである「香港ダンスエクスチェンジ(HDX)」への招聘(来年)が決定しています。
すごいことです。
私たちは来年で結成20周年を迎えます。記念公演として2026年7月25・26日に建築とゲームとダンスの2.5次元ダンス公演(横浜赤レンガ倉庫1号館)を企画しています。ぜひご来場ください。
▶透明体育館きらきら/国際こども・せいねん劇場みやざき(CandY)
https://candy-theater.com/
(後編へ続く)



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